会議のたびに、誰かがメモを取って後から議事録をまとめる…という作業は、意外と時間と手間がかかりがち。しかも、「どこまで書けばいいの?」「この発言は正確に伝わってる?」など、完成後に確認が必要で、手戻りが出ることも少なくありません。一方、AI技術が進化した現在では、録音データをもとに音声を自動文字起こしし、さらに要点を要約してわかりやすくまとめてくれるツールが登場し、多くの会社が興味を持ち始めています。すでに「自分の職場で使ってるよ」という方もいるかもしれませんが、実はツールやサービスの種類は思いのほか多く、機能面や料金、対応言語などが違うため、どれを選べばいいか迷いがち。本記事では、2025年時点で注目したいAI議事録自動作成ツールを8つピックアップし、それぞれの特徴や使い方をわかりやすく紹介します。どれも初心者にとってとっつきやすく、すぐに試せるものばかりです。まずは導入のメリットを押さえ、注意点を確認しながら、自分のチームや業務に合ったツールを探してみてください。1. AIで議事録を自動作成するメリット時間と手間の大幅削減議事録を作る作業は、たいてい音声データの再生→手動で文章化という流れで、しかも要点をうまくまとめる能力も必要です。しかし、AIが音声を文字起こしして要約までやってくれるなら、人間は最終チェックと編集だけで済むので、大幅な時短が期待できます。要点抜けや聞き漏れを減らせる人間の耳だけに頼っていると、一瞬ぼーっとしたときの発言を聞き逃したり、聞き返せないこともあるでしょう。AIは休憩や感情の揺れがないため、基本的にずっと録音を解析し、聴き漏れを減らす可能性があります。リアルタイム字幕で外国語や聴覚サポート会議中にリアルタイムで文字起こしされると、英語が苦手な人や聴覚障がいのある方にとっても、会議の理解がしやすくなるというメリットがあります。2. 導入前に知っておきたい注意点2-1. 音声の品質や雑音AIによる文字起こしは音声がクリアでないと精度が下がります。会議室での雑音や、複数人がかぶせ気味に話す状況だと誤認識が増える可能性が高いです。マイクの設置や話し方にも工夫が必要です。2-2. プライバシー・セキュリティ録音された音声ファイルや文字起こしデータがクラウド上に保存される場合、機密会議の内容を扱うなら、データ保護の仕組みを要確認。「どのサーバーに保存されるのか?」「暗号化されるのか?」などを把握しましょう。2-3. 最終的な確認は人の目でAIは完璧じゃないので、重要な会議では誤字脱字やニュアンスの取り違いがないか人間が最終確認する必要があります。要約もあくまで“AIの解釈”にすぎず、事実とずれている可能性がゼロとは言えません。3. AI議事録ツールおすすめ8選【一覧】ここでは、2025年の最新情報を踏まえ、特に日本語対応や使いやすさで評価の高いものを8つ選んでみました。Zoom自動文字起こしAI(Zoomトランスクリプト連携)Laxis(ミーティング特化)NottaGoogle Meetの自動字幕+連携ツールAstep(日本語議事録サービス)Onen AI ScribeMicrosoft TeamsのAIサマリー機能Tactiq for Google Meet4. 各ツールの詳細と活用シーン1. Zoom自動文字起こしAI(Zoomトランスクリプト連携)特徴Web会議ツール「Zoom」が提供する自動文字起こし機能ミーティング中にリアルタイム字幕を表示し、そのまま議事録として保存できる英語は精度高めだが、日本語は多少精度が下がる場合も。最近アップデートで日本語対応が改善中使い方Zoomの設定画面でLive Transcription(ライブ文字起こし)を有効化会議開始→「文字起こしを有効にする」をクリック会議終了後、テキストファイルとしてダウンロード可能活用シーンオンライン会議メインの会社 → ミーティングの参加者が文字で内容を把握でき、あとで読み返せる2. Laxis(ミーティング特化)特徴ビデオ会議の文字起こしに特化したツール。リアルタイムでAI要約も可能と謳う対応言語は英語中心だが、日本語のテスト版も進行中との情報あり会議後に「アクションアイテム」や「要点」を自動抽出してくれる機能使い方Laxisのウェブやアプリを通じて会議に接続音声をリアルタイムで文字化→最後に要約とキーワード抽出共有リンクでメンバーと議事録を確認活用シーンプロジェクト会議で、決定事項を正確かつ迅速に把握したい音声記録をデータ化し、過去会議を検索する3. Notta特徴日本語の音声文字起こしサービスとして高評価。Web・スマホアプリがあるZoomやGoogle Meetとも連携可能で、リアルタイム字幕も試せる作成した議事録をExcelやWordにエクスポートできる使い方Nottaのサイトまたはアプリでアカウント作成会議を録音 or Zoom連携→AIがリアルタイム文字起こし後からキーワード検索や要約が便利活用シーン営業会議などで、スマホやPCを一台置いてNottaを起動→議事録を自動取得インタビューやセミナーの記録にも向く4. Google Meetの自動字幕+連携ツール特徴Google Meet自体が英語の自動字幕に対応しているが、日本語は限定的ただし外部拡張(Tactiqなど)を合わせて使うと日本語字幕をリアルタイム取得するケースもGoogleアカウント利用者向けで導入が簡単使い方Google Meetを開催字幕機能をオン(英語の場合は公式サポートが充実)拡張機能や外部サービスと連携して日本語文字起こし → AI要約活用シーンG Suiteで社内システムを統一している企業 → Google Meetでのミーティングで議事録が自動作成5. Astep(日本語議事録サービス)特徴日本企業が提供する日本語特化の議事録作成サービス対象の音声・動画ファイルをアップロードすると自動文字起こし→要約、キーワード抽出ビジネス利用を前提にした機能が豊富使い方Astepにウェブでアクセス→アカウント登録ミーティング録音データをアップ or リアルタイム録音AIが短時間でテキスト化→要約レポートを確認・ダウンロード活用シーン既に録音した会議ファイルをまとめて処理社内研修やセミナーの動画をテキスト化し、資料として活用6. Onen AI Scribe特徴英語が中心だが、多言語対応を進めているという情報ありミーティングやカンファレンスを録音し、細かい発言者ごとのタイムスタンプ付きテキストを生成分析ツールとしてグラフ化なども検討中使い方Onen AI Scribeアプリorウェブから会議録音→自動文字起こしミーティング終了後にまとめ。ExcelやPDF形式でエクスポート活用シーン発言者ごとの区分けをしっかり残したい国際会議で英語メインの場合に特に有用7. Microsoft TeamsのAIサマリー機能特徴企業向けチャット&ミーティングツール「Microsoft Teams」がAI要約などを強化会議録を自動でとりつつ、後から要点のみ抜き出す設定が可能O365 (Microsoft 365)のエコシステム内で完結し、社内運用が容易使い方Teamsの会議中に「レコーディングと文字起こし」をオン終了後、クラウドに保存された議事録や要約にアクセスWordやOneNoteとの連携で社内共有活用シーン既にOffice 365を使っている会社 → 追加コスト少なく議事録自動化大規模組織で日常的にTeams会議を行う場合に最適8. Tactiq for Google Meet特徴Google Meetの字幕機能を拡張し、リアルタイム議事録を自動作成参加者ごとの発言内容を色分けして記録可能要約やアクションアイテムをチャットメンバーに送信できる機能も使い方Chrome拡張のTactiqをインストールGoogle Meetに参加→拡張が会議の音声を拾い文字起こし後で自動的に会議内容を要約、PDFなどに落とし込み活用シーンリモートワークでのオンライン会議 → その場で全員が文字起こしを閲覧、後から詳細確認5. 使い方の流れ:実際にどう作業するの?5-1. ツールの設定 or アカウント作成いずれのツールも公式サイトで登録、または拡張機能をインストールしてログインが基本。無料プランと有料プランの違いをチェックしておきましょう。5-2. 会議や打ち合わせを録音 or ライブで文字起こしツールによってはリアルタイム(同時進行)か録音データ後処理かの違いあり。どちらにせよ、音声がクリアに拾えるようにマイクやデバイスを適切に配置することが大切。5-3. 後で要点を要約・整形AIが作ってくれた文字起こしを、自分で修正しつつ「どんな決定事項があったか」「宿題は誰か」など大事な部分をまとめると完成。6. 導入時の比較ポイント6-1. 日本語精度は十分か?海外製ツールの場合、英語はOKでも日本語はまだ微妙というケースがある。日本語特化型のサービスを選ぶと、より高い精度が期待できます。6-2. リアルタイムか後処理かリアルタイム型: 会議中に字幕として出る → 即時共有できる後処理型: 録音ファイルをアップロードしてじっくり文字起こし → 大きな音声ファイル向け6-3. 有料プランと無料プランの違い無料版は録音時間や文字数に制限、ウォーターマークが付くなどの可能性も。長時間の会議をフルにカバーするなら有料プランを検討。7. AI議事録の応用:こんなシーンでも活用!7-1. 社内研修やセミナーでの記録講師の話をAIが文字にしてくれるので、復習や欠席者への共有がスムーズ。学習効率がアップし、研修内容の統一感が保てます。7-2. インタビューやヒアリング調査市場調査やユーザーインタビューを録音→AIが文字起こし。質問と回答を整然と整理して、分析しやすくなります。7-3. オンラインイベントやウェビナー参加者が多いウェビナーで、リアルタイム字幕を配信し、あとで議事録やサマリーを送付する仕組みを用意すれば、イベント運営も効率的に。8. Q&A:AI議事録自動作成の疑問に答える8-1. ノイズが多い会議室でも大丈夫?雑音が大きいとAIが誤変換しやすい。指向性マイクやミュートの徹底でノイズを減らす工夫が必要。主要発言者の声がしっかり拾われれば精度は上がる。8-2. 英語や他の言語にも対応できる?多くのツールは英語を得意とし、日本語もサポートしているものが増えてきた。他の言語(中国語、スペイン語など)は製品によるが、対応を謳うケースもあり。8-3. 要約機能はどこまで正確?あくまでAIのアルゴリズムがキーワードや文脈を見て要点を抽出するので、完全に人間の要約と一致するわけではない。最終的に人の確認が大事。9. まとめ:AI議事録で会議をもっと効率化しよう「AI議事録自動作成ツール」は、忙しいビジネスパーソンや多くのプロジェクトを抱える組織にとって、働き方を大きく変える存在になりつつあります。すでに無料or有料のさまざまなサービスがあり、2025年現在、AI技術がさらに向上しているため、日本語精度も上がり、会議やインタビューを一度に文字起こしするのが当たり前になりそうな勢いです。本記事では、8つのツールを紹介しましたが、それぞれリアルタイム対応か録音後処理か、無料枠の有無、またはチームコラボ機能の充実度などが異なるため、自社や個人のニーズに合うツールを検討してみてください。導入のメリットとしては、議事録作成にかかる時間の大幅削減決定事項やタスクの漏れを減らせる海外のやり取りでも翻訳機能を併用できる一方で、音声の雑音対策やセキュリティ面への配慮、AIが抜き出した要約の最終チェックなど、人間のサポートはまだ必要です。とはいえ、こうしたツールをうまく活用すれば、会議をより建設的に進められるでしょう。議事録担当者の負担が軽減されれば、その分会議の質向上に注力できるかもしれませんね。2025年はさらに機能がアップしたり、新しいサービスが登場したりと、AI議事録の世界はまだまだ発展するはず。早めに取り入れて試行錯誤することで、会議運営やチームのコミュニケーションを一歩先へ進めてみてはいかがでしょうか。